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海のプランクトンが雲を作る

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 12 | doi : 10.1038/ndigest.2015.151232

原文:Nature (2015-09-10) | doi: 10.1038/525194a | Sea-spray particles cause freezing in clouds

Lynn M. Russell

海洋上の大気中には、海面での泡の破裂などによって海洋生物由来の微粒子が舞い上がり、漂っている。今回、海の植物プランクトンなどに由来する微粒子が核となり、空気中の水分の凍結を促して氷雲(氷の微小な結晶でできている雲)を発生させていることが分かった。特に高緯度の海域では、これまで考えられていたよりも高い温度や低い湿度であっても氷雲が発生するとみられる。

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Balakleypb/istock/thinkstock

海洋は、地球表面の3分の2を占めている。海水のほとんどは水と無機塩からなり、組成はかなり均一だ1。一方、海水には有機物もわずかに含まれている。有機物については、場所や時間によって濃度が変化する2こと以外あまり分かっていないが、大気中での氷の形成を促進する重要な成分である可能性がある。このたび、リーズ大学(英国)のTheodore W. Wilsonらの国際共同研究グループは、海面の最表層の数ミリメートル厚の海水層に濃縮される有機物が、大気中の水分を凍らせて氷雲を形成する「氷核生成」と呼ばれるプロセスに不可欠な結晶生成特性を持つことを見いだし、Nature 2015年9月10日号234ページに報告した3。この成果は、今後の気候の予測精度の向上につながるかもしれない。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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