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スマホのカメラが分光計に?

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2015.151029

原文:Nature (2015-07-02) | doi: 10.1038/523039a | Colourful particles for spectrometry

Norm C. Anheier

カラフルな粒子のコロイド懸濁液をフィルターに用いることで、デジタルカメラやスマートフォンカメラを小型分光計に変身させられる技術が開発された。

図1 コロイド量子ドット(CQD)
微粒子のコロイド懸濁液であるCQDは、紫外光で励起されると粒子サイズに応じて異なる色の蛍光を発する。BaoとBawendi2は、こうしたCQDのユニークな光吸収特性を利用して、光のスペクトル特性を分析する強力なツールとなる小型分光計を開発した。 | 拡大する

PLASMACHEM

1857年、マイケル・ファラデーは英国王立研究所で大勢の聴衆を前に講義を行い、「光と物質の相互作用」に関する先駆的実験研究1を発表した。この研究は、粒子による光の反射や吸収といった基本特性が、粒子のサイズを徐々に小さくしていくとどう変化するのか調べたもので、講義では具体的に、金の微小粒子を液体中に分散させると鮮やかな色を呈するのに対し、大きな粒子ではこうした発色が見られないことが示された。実は、ファラデーが調べた金粒子の分散液は、後に「コロイド量子ドット(CQD)」として知られることになる特殊な微粒子懸濁液だった。もちろん彼は当時このことに気付いていなかったが、優れた洞察力に基づき「特徴的な発色は金粒子の微小なサイズに起因する」と結論していた。それから約160年、清華大学(中国、北京)のJie Baoおよびマサチューセッツ工科大学(米国ケンブリッジ)のMoungi G. Bawendi2は、CQDのこうしたユニークな光学特性を利用して、スマートフォンカメラとの一体化や小型センサーとしての使用が可能な手持ち式小型光学分光計を開発し、Nature 2015年7月2日号67ページに報告した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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