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オルガノイドの興隆

臓器に似た立体構造体「オルガノイド」を作る研究が熱を帯びている。培養皿の中にシグナル分子を投入するだけで、細胞が自分で組織を形作るのだ。こうしてできたミニ臓器は、単一細胞の分析よりも多くの情報をもたらす場合があるだけでなく、薬の効果や副作用を調べるのにも役立つことが分かってきた。

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kowalska-art/istock/thinkstock

Nature ダイジェスト Vol. 12 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2015.151024

原文:Nature (2015-07-30) | doi: 10.1038/523520a | The boom in mini stomachs, brains, breasts, kidneys and more

Cassandra Willyard

脳ができた

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2011年11月のある日、分子生物工学研究所(オーストリア・ウィーン)のポスドクだったMadeline Lancasterは、脳を偶然育ててしまったことに気付き、いつもの生活が一変した。彼女は数週間前から、ヒト胚性幹(ES)細胞に「神経ロゼット」と呼ばれる構造を形成させようとしていた。神経ロゼットとは、さまざまな種類の神経細胞(ニューロン)になる能力を備えたバラの花状の細胞塊である。しかし、どういうわけか彼女の扱っていた細胞は培養皿の底にくっつこうとはせず、浮遊して乳白色の奇妙な球状体を形成した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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