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Y染色体の進化学

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2014.140725

原文:Nature (2014-04-24) | doi: 10.1038/508463a | The vital Y chromosome

Andrew G. Clark

Y染色体は、進化の初期に多数の遺伝子が喪失したものの、現存生物種のY染色体に残っている遺伝子は極めて安定していることが、さまざまな哺乳動物のY染色体塩基配列の比較から明らかになった。

哺乳類の性を決定するX染色体とY染色体は、1対の常染色体から進化した。そしてY染色体は、祖先染色体から遺伝子が急速に失われたことで進化したと考えられている。Y染色体が急速に退化したという考え方1は、ショウジョウバエでの観察結果により支持されている。ショウジョウバエでは、ネオY染色体(常染色体と性染色体との融合によって作られた染色体)、または新たなY染色体断片が出現する際にこうした退化が観察されているのだ2Nature 2014年4月24日号では、Daniel W. Bellottら3494ページ)とDiego Cortezら4488ページ)が、Y染色体上の遺伝子の進化について詳しく説明している。彼らは、Y染色体の進化の初期には急速な退化と遺伝子喪失の時期があったものの、現存する哺乳動物のY染色体および鳥類の性を決定するW染色体に保存されている遺伝子は、遺伝子喪失以後、著しく安定していたことを示した。彼らはさらに、性染色体に影響を与える進化の推進力についても詳細に示しており、彼らが比較に用いた動物種全体にわたってY染色体連鎖遺伝子に機能的な一貫性が見られる理由についても、妥当な説明を提供している。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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