News & Views

小惑星表面でのレゴリス形成

Nature ダイジェスト Vol. 11 No. 7 | doi : 10.1038/ndigest.2014.140727

原文:Nature (2014-04-10) | doi: 10.1038/nature13222 | Cracking up on asteroids

Heather A. Viles

小惑星の表面にある岩石もまた、年月の経過とともに風化によって崩壊し、やがては粉末状の破片へと変わっていく。この風化現象はこれまで、大小さまざまな流星体の衝突が原因だと考えられていたが、今回、室内実験とシミュレーションモデルを組み合わせた研究から、少なくとも小型の小惑星では、昼夜の温度変化が主な原因であることが分かった。

図1:小惑星帯にある、全長が50km以上あるS型小惑星イダ
1993年8月28日に米航空宇宙局(NASA)の木星探査機ガリレオの搭載カメラで撮影された画像を加工したもの。場所による色の変化は、イダ表面の起伏に富んだ地形と、レゴリスのさまざまな物理的状態および組成を反映している。

NASA/JPL

太陽の周りを回る小惑星の表面は、地球の土壌の非生物成分に似た「レゴリス」と呼ばれる微粒子で覆われていることが分かっている。レゴリスの形成の主な原因はこれまで、小惑星などの大気のない岩石質の天体の場合は、流星体(メテオロイド;宇宙空間を移動する小さな固体物質で、地球表面に達した場合は隕石と呼ばれる)や微小流星体(流星塵)の衝突が原因だと考えられていた。つまり、流星体の衝突が岩を割って小さな破片にし、微小流星体(直径数ミリメートル以下)の衝突が岩や破片をより細かい粒子へと徐々に粉砕すると考えられていたのである。そんな中、コートダジュール天文台(フランス・ニース)のMarco Delboらは今回、キロメートルサイズ以下の小型の小惑星におけるレゴリス形成の主な原因は昼夜の温度変化の繰り返しであり、より大きな小惑星上(図1)におけるレゴリス形成にもこうした温度変化が寄与している可能性がある、という仮説の真偽を調べるため、室内実験とシミュレーションモデルによって検証を行った。そしてこの仮説が正しいことを確かめ、Nature 2014年4月10日号233ページに報告した1

全文を読むには購読する必要があります。既に購読されている方は下記よりログインしてください。

Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

プライバシーマーク制度