News Feature

遺伝子組換え作物の真実

遺伝子組換え(GM)食品やGM作物をめぐって、長く激しい論争が続いている。それらのうち、いったいどこまでが科学的根拠に基づく知見であり、どこから先が独断や憶測なのか、見極めるのは困難だ。GM作物が最初に商品化されてから20年近い歳月が経過し、その技術は驚くほど広く利用されている。GM作物技術を擁護する人々は、GM作物の導入によって農業生産額は980億ドル以上も増加し、農薬の散布量は約47万3000tも減少したと言う。一方、批判的な人々は、GM作物が環境や社会や経済に悪影響を及ぼすのではないかと懸念している。

研究者、農家、活動家、GM種苗会社は、それぞれ自分たちの見解を盛んに売り込もうとしているが、その根拠とする科学的データは、決定的なものでなかったり矛盾があったりすることが多い。複雑な真実は、長い間、激しい論争の陰に隠され続けてきた。ワーヘニンゲン大学(オランダ)とオランダ研究所に所属する農業社会経済学者のDominic Gloverは、「私は議論が全然進まないことに、苛立ちを感じています」と打ち明ける。そして「賛成派と反対派は別々の言語で話し、どの証拠やどの問題が重要であるかについても、意見を異にしているのです」と言う。

Natureは今回、3つの重要な疑問について検証したい。①GM作物が広く用いられるようになったせいで、除草剤耐性を持つ「スーパー雑草」は出現しているのか? ②GM作物は、インドの農民を自殺に追いやっているのか? ③GM作物に導入された外来遺伝子は、他の植物にも広まっているのか? これらについては異論が多く、その事例研究(ケーススタディー)は、責任転嫁や、作り話の流布や、異文化への無神経さが、いかにして激しい議論を引き起こしてしまうかをよく示している。

GM作物のせいでスーパー雑草が出現した:ホント

今から5年前、米国ジョージア州アッシュバーンの農業コンサルタントJay Holderは、クライアントの遺伝子組換えワタ畑の中に、オオホナガアオゲイトウ(Amaranthus palmeri)が生えているのに初めて気が付いた。オオホナガアオゲイトウは米国南東部の農家を悩ませている雑草で、ワタ畑にこれが生えると、ワタの生育に必要な水分、光、土壌中の栄養分が横取りされてしまい、短期間で畑が支配されてしまう。

米国の農家は1990年代後半から、組換えワタの栽培を始めた。それは農薬とセットになったもので、モンサント社(ミズーリ州セントルイス)が「ラウンドアップ」という商品名で販売する除草剤グリホサートと、遺伝子操作によってグリホサートへの耐性を持たせた「グリホサート耐性ワタ」を組み合わせて使うのだ。この戦略は、当初は非常に有効だったが、やがてうまくいかなくなった。2004年には、ジョージア州の1つの地域で除草剤耐性オオホナガアオゲイトウが発見され、2011年には76の地域まで広がった。「この雑草にワタ畑の半分を侵食された農家もあります」とHolderは言う。

一部の科学者とGM作物反対派は、グリホサート耐性作物の導入は、グリホサートの大量使用につながり、多くの雑草にグリホサート耐性を獲得させる恐れがある、と警告していた。実際、1996年にラウンドアップ耐性作物が導入されて以来、24種類のグリホサート耐性雑草が発見されている。ここで注意したいのは、除草剤耐性の問題が、その農家がGM作物を栽培しているかどうかに関係なく生じる、という点である。GM作物を栽培しない農家でも、その影響を受けてしまうというわけだ。ただ、一方で、アトラジンという除草剤への耐性を持たせた遺伝子組換え作物は存在しないのに、約64種類の雑草がアトラジン耐性を示すことがわかっている(「スーパー雑草の出現」参照)。

SOURCE: IAN HEAP, INTERNATIONAL SURVEY OF HERBICIDE RESISTANT WEEDS WWW.WEEDSCIENCE.ORG/GRAPHS/SOAGRAPH.ASPX (2013).

それでももちろん、グリホサート耐性植物の出現は、グリホサートの成功が招いた事態といってほぼ間違いない。農家は伝統的に複数の種類の除草剤を使用してきたが、これにより、除草剤耐性雑草の出現を遅らせることができた。また、畑を耕す「耕起農法」は、雑草の繁茂を防ぐのに有効だった。耕起農法には、表土を流出させ、大気中に二酸化炭素を放出させるという欠点があるが、雑草に除草剤耐性を獲得させることはない。これに対して、GM作物を栽培する場合には、農家はグリホサートだけを使用すればよい。グリホサートは、他の多くの除草剤に比べて毒性が低く、耕起を行わなくても幅広い種類の雑草を死滅させることができる。そこで農家は、耐性が出現しないように作物の種類を変えたり除草剤の種類を変えることをしなかった。毎年、同じ除草剤を使って同じGM作物を栽培してきたのだ。

この農法は、「グリホサートを正しく使用していれば、雑草が自然に耐性を獲得することはない」というモンサント社の主張を根拠にしていた。同社は2004年にも、複数年にわたる研究により、栽培する作物と使用する除草剤を毎年変えて雑草が耐性を獲得するのを回避しようとするやり方には意味がないことが判明した、という研究成果を発表した。現在モンサント社の雑草管理部門の技術責任者であるRick Coleは、当時の業界誌の広告で、モンサント社が推奨する用量さえ守れば、グリホサートは効果的に雑草を死滅させることができると胸を張り、「死んだ雑草が耐性を獲得しないのは明らか」だと述べていた。しかし、2007年に発表された研究1は、実験を行った区画が小さすぎ、どのような農法を用いても耐性が出現する可能性は非常に低い、と科学者から批判された。

国際除草剤耐性雑草調査(米国オレゴン州コーバリス)の責任者であるIan Heapによると、グリホサート耐性雑草は、現在、世界18か国で発見されていて、特に、ブラジル、オーストラリア、アルゼンチン、パラグアイで深刻な被害が出ているという。モンサント社は現在、グリホサートの使用法を変えて、複数の種類の除草剤を使用し、耕起を行うよう推奨している。けれども同社は、自分たちがスーパー雑草の出現の一因になったことは認めていない。ColeはNatureに対して、「システムへの過信と利益を最優先する風潮が相まって、農家が使用する除草剤の多様性が低下したのです」と主張した。

結論としていえば、産業規模の栽培では、除草剤耐性GM作物は従来の作物に比べて環境に少ない悪影響しか及ぼしていない。PG エコノミクス社(英国ドーチェスター)というコンサルティング会社の研究によると、除草剤耐性ワタの導入により、1996年から2011年までの間に、除草剤全体の使用量は1万5500tも減少したという。これは、従来のワタを栽培し続けた場合の除草剤の推定使用量よりも6.1%少ない2。この研究は産業界からの資金提供を受けて行われたものだが、多くの科学者は、この分野で最も広範にわたる権威ある環境影響評価の1つと見なしている。PGエコノミクス社の共同取締役で、論文の共著者であるGraham Brookesによると、GM作物技術は環境影響指数(農薬が野生生物に及ぼす毒性などの因子を考慮した評価)を8.9%改善させたという。

問題は、こうした利点・長所があとどのくらい続くのかということである。農家はこれまで、より多くのグリホサートを使用したり、他の除草剤でこれを補ったり、畑を耕起したりして、増え続ける除草剤耐性雑草に対抗してきた。ペンシルベニア州立大学(米国ユニバーシティーパーク)の植物生態学者David Mortensenの研究によれば、GM作物が導入されたことの直接的な結果として、米国全体で使用される除草剤の量は、2013年に1ha当たり約1.5kgであったのが、2025年には1ha当たり3.5kg以上まで増加すると予測されている3

農家に新しい雑草防除戦略を提供するため、モンサント社やダウ・アグロサイエンス社(米国インディアナ州インディアナポリス)などのバイオテクノロジー企業は、他の種類の化学物質と組み合わせて使用する新しい除草剤耐性作物を開発しており、数年以内に商品化したいと考えている。

Mortensenは、こうした新しい技術もやがて効果を失うだろうと指摘する。それでも、ワイツマン科学研究所(イスラエル・レホボト)の雑草科学者Jonathan Gresselは、化学除草剤を完全に捨てることは現実的な解決案ではないと言う。現時点では、化学物質を用いた雑草防除は、畑を耕起するより効率がよく、環境への悪影響も小さい。「農家がより持続可能な農法を採用し、同時に複数の種類の除草剤を使用するようになれば、問題は少なくなります」と彼は言う。

GMワタがインドの農民を自殺に追いやっている:ウソ

2013年3月にインドの環境活動家で女性活動運動家でもあるVandana Shivaにインタビューをしたとき、彼女は驚くような統計データを繰り返し引用した。「モンサント社がインドの種苗市場に参入してから、インドでは27万人の農民が自殺しています。これは大量虐殺です」。

彼女の主張は、インド全体の自殺率が1990年代後半から上昇しているという事実に基づくもので、モンサント社が2002年にインドでGM種子の販売を始めて以来、企業による搾取の例としてしばしば語られるようになった。

ある種の昆虫を防除するためにBacillus thuringiensisという細菌の遺伝子を組み込んだBtワタは、発売早々、多くの問題を抱えることになった。種子は当初、現地の交配品種の5倍以上の価格で売り出されたため、現地の商人は、Btワタと従来のワタを混ぜた形で安く販売したのである。このインチキ種子と製品の使用法に関する間違った情報が、収穫量の減少と金銭的な損失を招いた。この失敗が、長年にわたって厳しい貸金(クレジット)制度に圧迫され、地元の金融業者から金を借りることを余儀なくされていた田舎の農民をさらに追い込んだことは明らかだ。

けれども、「農民の自殺をBtワタだけのせいにするのはナンセンスです」とGloverは言う。金銭問題がインドの農民の自殺原因の1つであることは確かだが、Btワタの導入前後で農民の自殺率に本質的な変化はないからだ。

この事実は、国際食糧政策研究所(米国ワシントンDC)の研究者によって指摘された。彼らは、インドのBtワタと自殺に関する政府のデータ、学術論文、メディアの報道を徹底的に検証した。彼らの知見は2008年に発表され4、2011年に改訂されたが5、それによると、インドにおける1年間の自殺者の総数は、1997年には10万人よりわずかに少なかったが、2007年には12万人以上に増えていた。しかし、農民に限っていえば、同じ期間の自殺者数は、1年間に2万人弱で推移していたのである。

過去10年間にBtワタがインドの社会と経済に及ぼした影響について研究しているゲオルク・アウグスト大学ゲッチンゲン校(ドイツ)の農業経済学者Matin Qaimは、Btワタは、出だしこそつまずいたものの、インドの農家に利益をもたらしたと言う。彼は、インドの中部と南部の533軒のワタ農家について調べた結果、害虫による被害が減ったため、2002年から2008年までの間に1エーカー(0.405ha)当たりの収穫量が24%増加したことを明らかにした6。農家の利益は、主に収穫量の増加によって、同じ期間に平均で50%増加していた(「横ばいの自殺率」参照)。これだけ大きい利益が出ていることを考えれば、現在インドで栽培されているワタの90%以上が遺伝子組換えワタであることは驚くにあたらないとQaimは言う。

SOURCE: REF. 5

一方で、ワシントン大学(米国セントルイス)の環境人類学者Glenn Stoneは、Btワタの導入によりワタの収穫量が増加したことを裏付ける実験的証拠はないと指摘する。彼は独自に現地調査を行い7、またインドでのBtワタの収穫量に関する研究文献8を分析した結果、査読を受けた論文のうち、Btワタの導入による収穫量の増加を報告したものの多くが、Btワタの導入から間もない時期に短期間の影響を調べたものであったと指摘する。彼は、研究者がこの時期を選んだことが偏りを生じさせたと言う。すなわち、Btワタをいちはやく導入した農民は、裕福で、高い教育を受けていて、従来のワタを栽培していたときから、収穫量が平均より高い傾向があったというのだ。こうした農民が高価なGM種子を手間暇を惜しまず育てたことが、Btワタの導入により収穫量が高くなった理由の1つになっていると考えられる。現在の問題は、従来のワタを栽培している畑がインドにほとんど残っておらず、GMワタの収穫量や利益との比較ができないことだとStoneは言う。Qaimは、利益の増加を示す研究の多くが短期的な影響に注目したものであることには同意するが、彼が2012年に発表した研究では、これらの偏りを考慮しても、なお利益は残っているという。

Btワタの導入がインドの農民の自殺率を急増させたという事実はないが、ワタの収穫量を増加させた唯一の理由であるわけでもない、とGloverは言う。「成功か失敗のどちらかでこの技術を語ろうとすると、本当のことを示している微妙なニュアンスが失われてしまいます」と彼は言う。「インドではこの話は今も進行中であり、明確な結論は出ていないのです」。

メキシコの野生種に導入遺伝子が広まっている:ホントかウソか不明

メキシコのオアハカ州の山地で農業を営む人々は、2000年に、自分たちが栽培・販売するトウモロコシの有機認証を取得して、収入アップにつなげたいと考えた。当時、カリフォルニア大学バークレー校(米国)の微生物生態学者だったDavid Quistは、自分たちの研究プロジェクトのために彼らの土地に出入りする許可と引き換えに、有機認証の取得を手伝うことになった。ところが、Quistが行った遺伝子分析の結果、思いがけない事実が明らかになった。オアハカ州で生産されたトウモロコシに、「モンサント社製グリホサート耐性・耐虫性トウモロコシ」の導入遺伝子の発現を刺激するDNA断片が含まれていたのである9

メキシコではGM作物を市販用に生産することは認められていないので、Quistが発見した導入遺伝子は、米国から輸入された消費用GM作物に由来するものであったのかもしれない。そして、現地の農民が、遺伝子組換え製品であることを知らずにこれを種子としてまいてしまったのかもしれない。Quistはこの論文で、現地のトウモロコシがGM作物と交雑して、導入遺伝子のDNAを拾ったのだろうと推測した。

この発見がNatureで発表されると、マスコミと政治家がオアハカに押し寄せ、その多くは、トウモロコシを神聖視するメキシコで、歴史的起源を持つトウモロコシを汚染したとしてモンサント社を非難した。その一方で、Quistの研究も、導入遺伝子を検出するために用いた手法や、導入遺伝子が断片化してゲノム全体に拡散する可能性があるとする結論に技術的問題があるとして、厳しく批判された10Natureはその後、Quistの論文を支持することはなくなったが、撤回はしなかった。この研究を批判する論文10が2002年にNatureで発表されたときは、編集部による脚注として、「現時点で得られている証拠だけでは、元の論文の発表を正当化するには十分ではない」と記された。

その後、主として研究資金の不足により、メキシコのトウモロコシへの導入遺伝子の移行を厳密に検証する論文はほとんど発表されておらず、結果にもばらつきがある。2003年から2004年にかけて、オハイオ州立大学(米国コロンバス)の植物生態学者Allison Snowは、オアハカの125か所の畑から870本のトウモロコシを標本として採取したが、トウモロコシの種子から導入遺伝子の配列は見つからなかった11

けれども2009年には、メキシコ国立自治大学(メキシコシティー)の分子生態学者Elena Alvarez-Buyllaとカリフォルニア大学バークレー校の植物分子遺伝学者Alma Pineyro-Nelsonが率いる研究チームが、2001年にオアハカの23か所で採取した標本のうちの3つと、2004年に同じ場所で採取した標本のうちの2つで、Quistと同じ導入遺伝子を発見した12。これとは別の研究でも、Alvarez-Buyllaとその共同研究者らが、メキシコ全土の1765の家庭にあるトウモロコシ種子の数%に導入遺伝子が含まれていることを示す証拠を見つけた13。メキシコの地方自治体が行ったその他の研究でも、コンスタントに導入遺伝子が発見されているが、その成果が論文として発表されることはめったにない14

SnowとAlvarez-Buyllaは、標本抽出の方法の違いが、導入遺伝子の検出結果の食い違いを生じさせている可能性を認めている。「彼らと私たちは、別々の畑で標本を採取しました。そして彼らは導入遺伝子を発見し、私たちは発見できませんでした」とSnowは言う。

メキシコでは現在、Btトウモロコシの商品化を認めるべきかどうかが検討されている。にもかかわらず、導入遺伝子がメキシコのトウモロコシに移行したのかどうかについては、科学界の意見はいまだに一致していない。

「導入遺伝子が地元のトウモロコシに移行してしまうのは、避けられないようです」とSnowは言う。「実際にそのような移行が起きていることが証明されていますが、それがどのくらい一般的なことなのか、その結果何が起こるのか、見極めるのは非常に難しいのです」。Alvarez-Buyllaは、導入遺伝子が広まるとメキシコのトウモロコシの健康に悪影響を及ぼし、地元の農民が重視する見た目や味などの特徴が変わってしまうだろうと主張する。ひとたび導入遺伝子が紛れ込んでしまったら、それを除去するのは、不可能ではないにしても非常に難しいと彼女は言う。反対派は、時間の経過とともにGM作物の形質が地元のトウモロコシのゲノムに蓄積すると、やがて、エネルギーや資源を使い果たしたり、代謝過程を崩壊させたりして、植物の適応度に影響を及ぼす恐れがあると推測する。

これに対してSnowは、GM作物が他の植物に悪影響を及ぼしていることを示唆する証拠は、現時点では存在しないと言う。彼女は、現在使用されている導入遺伝子が他の植物に移行したとしても、植物の成長になんの影響も及ぼさないか、かえって有益な影響を及ぼすだろうと予想する。Snowらが2003年に発表した研究によると、Btヒマワリ(Helianthus annuus)を野生のヒマワリと交配したところ、遺伝子組換えヒマワリの子孫は、手間暇かけて育てられた親と同じ行き届いた世話を必要としたが、非遺伝子組換えヒマワリよりも害虫に対して強く、より多くの種子ができたという15。しかし、こうした技術の権利を持つ企業は、一般的に学術研究者に実験をさせようとしないため、研究がほとんど行われていないとSnowは言う。

けれども、メキシコのトウモロコシについては、導入遺伝子の野生種への移行は単純な環境問題ではない。作物科学者で、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(メキシコ・エルバタン)の遺伝資源プログラム部長であるKevin Pixleyは、メキシコのGM技術を擁護する科学者たちは重要な点を見落としていると指摘する。「科学者の大半は、トウモロコシがメキシコ人の心情と文化にとってどれだけ深い意味を持っているか、理解していないのです」。

GM作物をめぐる問題の全体像は、微妙で、曖昧で、どうしようもなくごちゃごちゃしている。そのため、この問題を整然と説明しようとすればするほど、全体像は見えにくくなる。発展途上国や先進国が直面している難しい農業問題のすべてが、遺伝子組換え作物によって解決できるわけではないとQaimは言う。「遺伝子組換え作物は特効薬ではありません」。しかし、GM種子を販売する企業ばかりを非難するのも適切ではない。真実はどっちつかずのところにあるのだ。

翻訳:三枝小夜子

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 8

DOI: 10.1038/ndigest.2013.130826

原文

A hard look at GM crops
  • Nature (2013-05-02) | DOI: 10.1038/497024a
  • Natasha Gilbert
  • Natasha Gilbertは、ワシントンDC在住の Nature ライター。

参考文献

  1. Wilson, R. G. et al. Weed Technol. 21, 900-909 (2007).
  2. Brookes, G. & Barfoot, P. GM Crops Food; preprint at http://go.nature.com/q8rmke (2013).
  3. Mortensen, D., Egan, J. F., Maxwell, B. D., Ryan, M. R. & Smith, R. G. BioScience 62, 75-84 (2012).
  4. Gruere, G. P., Mehta-Bhatt, P. & Sengupta, D. Bt Cotton and Farmer Suicides in India. Discussion paper 00808 (International Food Policy Research Institute, 2008).
  5. Gruere, G. & Sengupta, D. J. Dev. Stud. 47, 316-337 (2011).
  6. Kathage, J. & Qaim, M. Proc. Natl Acad. Sci. USA 109, 11652-11656 (2012).
  7. Stone, G. D. World Dev.39, 387-398 (2011).
  8. Stone, G. D. Econ. Polit. Weekly 47, 62-70 (2012).
  9. Quist, D. & Chapela, I. H. Nature 414, 541-543 (2001).
  10. Metz, M. & Futterer, J. Nature 416, 600-601 (2002).
  11. Ortiz-Garcia, S. et al. Proc. Natl Acad. Sci. USA 102, 12338-12343 (2005).
  12. Pineyro-Nelson, A. et al. Mol. Ecol. 18, 750-761 (2009).
  13. Dyer, G. A. et al. PLoS ONE 4, e5734 (2009).
  14. Mercer, K. L. & Wainwright, J. D. Agric. Ecosyst. Environ. 123, 109-115 (2008).
  15. Snow, A. et al. Ecol. Appl. 13, 279-286 (2003).