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分子モーターの 「回転する原理」を解明!

村田 武士

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 6 | doi : 10.1038/ndigest.2013.130620

さまざまな生命現象に関与するタンパク質の中には、ナノテク顔負けの駆動装置がある。モーターのように回転するタンパク質はその代表格で、ATP合成酵素などが知られている。千葉大学大学院理学研究科の村田武士准教授は、今回、ATP合成酵素とよく似た別のタンパク質を用いて、その詳細な構造と、一方向に回転し続ける仕組みを解明した。

–– Nature ダイジェスト:タンパク質の分子モーターを研究されたきっかけは?

村田: 1980年代に、日本が研究を牽引する形で、バクテリアのATP合成酵素(F型ATPase)の構造と機能の解析が進められました。F型ATPaseは、大腸菌からヒトに至るまで広く見られ、生命維持に必要とされるATPの大半を合成しています。

1985年、柿沼喜己博士らが、酵母の液胞からF型ATPaseによく似た酵素(後にV型ATPaseと命名)を発見しました。当時の解釈は、「V型ATPaseは真核生物だけに見られるもので、F型ATPaseから進化した」というものでしたが、彼らは、バクテリア(腸球菌)もまた、V型ATPase様のタンパク質を持つことを突き止めました。そこで、それが本当にV型ATPaseなのかどうか、柿沼教授らと私たち東京理科大の研究室とで検討しました。私はタンパク質の合成を担当したのですが、それ以来、腸球菌V型ATPaseの構造と機能の解析を続けています。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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