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求む!冥王星の先の新天体

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2013.130506b

太陽系外縁天体探査機のために、新たな観測対象を募集中

2015年7月、太陽系外縁天体探査機「ニュー・ホライズンズ」は、冥王星とその多くの衛星の近くを通過することになる。これは米航空宇宙局(NASA)が探査機を接近させた天体としては最も遠い例となる。しかし、それではまだ足りないとばかりに、科学者はすでにニュー・ホライズンズの次の探査目標を探し始めている。冥王星の先にある未知の天体を、間近から詳しく調べたいと考えているのだ。

エッジワース・カイパーベルト天体の中で、冥王星は最大または2番目に大きな天体だ。エッジワース・カイパーベルトは海王星の軌道よりも外側にある小天体の多い領域のことで、これまでに1600個にのぼる天体が発見・追跡されている。だが、それらの中に、今後のニュー・ホライズンズの通り道に近いものはない。

優れた探査機をこのままむだにするのはいかにも惜しいので、天文学者たちは今、観測対象となる天体を新たに見つけ出そうと必死になっている。「1つ見つかればうれしいですが、もし2つ見つかったら天にも昇る気分でしょう」とハーバード・スミソニアン宇宙物理学センターの天文学者Alex Parkerは言う。

探索にはハワイとチリにある望遠鏡が使われている。別の日に撮影された画像を比較し、位置が変わった天体を特定する。これまでに数十個の小天体が網にかかり、うち3つは2018年にニュー・ホライズンズから1600万~3200万kmの距離にやってくることがわかった。この距離からなら、その天体の衛星を探すことができ、衛星の動きから親星が及ぼす重力、ひいては親星の質量がわかる。

だが、Parkerは欲ばりで、探査機がわずか数千kmまで接近できるような天体を見つけたいと望んでいる。その距離なら、冥王星に対するのと同じように、綿密な調査が可能になるからだ。

残念ながら、そうした天体は現在、見つけ出すには最悪の方角を移動している。つまり、天の川銀河の中心がある「いて座」の方角を移動しているのだ。「何百万個もの星を背景に、かすかにしか見えない動く天体を特定するのは至難の業です」とParkerは言う。

それでも、これまでの探索ですでに新天体が見つかっているわけだから、冥王星を通過した後もニュー・ホライズンズがお役御免になることはない、とParkerは楽観的だ。

(翻訳:鐘田和彦)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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