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簡単な算数ができない学習障害

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2013.130416

原文:Nature (2012-01-10) | doi: 10.1038/493150a | Number games

Ewen Callaway

電話番号などの簡単な数字を覚えたり、簡単な足し算をしたりするのがひどく苦手な人がいる。このような「算数障害」があっても、知能面に全く問題がなく日常生活を支障なく送っている人も多い。この「算数障害」をとおして数認識の仕組みを探るとともに、その障害者支援に尽力する研究者がいる。

1980年代半ば、Paul Moorcraftは戦争特派員として撮影隊とともにアフガニスタンに入ったことがある。目的はソビエト連邦(ソ連)による侵攻から5年目の状況をドキュメンタリーに撮ることで、その道中、彼らはソ連戦線の後方を通ることになった。「毎日のようにソ連軍から攻撃を受けましたよ」と、快活なウェールズ人であるMoorcraftは冗談ぽく語る。しかし、本当のトラブルはその後にやってきた。彼が、スタッフのために現地調達した馬や衣類などの経費精算をしようと計算していたときのことだ。合計を出すだけの単純な作業に、彼は計算機を使っていたにもかかわらず、普通の人の10倍の時間がかかった。「まさに悪夢でした。とにかく、とんでもなく時間がかかったのです」。ようやく請求書を経理担当者に送ったのだが、数十万ポンドの経費だったのに、誤ってゼロを1つ余分に付けて数百万ポンドを請求していたことには気付かなかった。「相手は、私がまじめな人間だとわかっていたので、ゼロが多いのはタイプミスのせいだと思ってくれました」。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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