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マリファナはきっぱり有害

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2013.130406a

米国の若者に、危険な誤解が広がっている

米国では現在、10代の喫煙率は過去最低となっている。ところが、マリファナを吸う者が増えており、それが有害だと思う若者もこれまでになく少ない。米国立薬物乱用研究所の未来監視プロジェクトの一部として2012年12月に公表されたデータによると、マリファナの常用が有害だと思う高校3年生はわずか44.1%で、1973年以来最低の水準だった。2012年に高校3年生の3分の1以上がマリファナの使用経験があり、15人に1人が毎日吸っている理由は、このような害に対する甘い認識にありそうだ。

10代の考え方の変化の背景には、医療におけるマリファナの利用拡大という事実があるかもしれない。1996年以来、18の州とコロンビア特別区は、成人が医師の処方に基づいてマリファナを入手することを合法化した。また、2012年11月、コロラド州とワシントン州は、州として初めて、21歳以上のすべての人に対して、マリファナを合法化した。「医療用にマリファナ使用が広く認められたことで、リスク認識が変わったといえるでしょう」と、未来監視プロジェクトを率いたミシガン大学のLloyd Johnstonは言う。

IQが8ポイント低下

しかし、マリファナが10代の人間にもたらすリスクは、成人の場合よりも大きい。2012年8月、デューク大学などの共同研究チームは、青年期にマリファナを大量に使用すると、認知機能に永続的な悪影響を及ぼす可能性を示す25年間にわたる調査研究結果を発表した。マリファナ依存と診断された10代と成人の被験者は、ほかの薬物依存、統合失調症、教育などの要因を考慮して補正しても、13歳から38歳までの間に、知能指数(IQ)が最大で8ポイント低下した(マリファナをやめた者のIQは総じてわずかではあるが上がった)。さらに、10代でマリファナを吸っていた者が成人後にやめても、IQは回復しなかった。

どれだけ吸えば吸い過ぎになるのだろうか。答えを出すのは難しい、と研究論文の主執筆者である心理学者Madeline Meierは言う。マリファナタバコは同じものがほとんどなく、効果もまちまちであるため、消費量を正確につかむ方法がないのだ。はっきりしているのは、青年期の脳はマリファナの影響をとりわけ受けやすい、ということである。だから、10代の若者はマリファナを吸わないのが賢明であり、吸わない状態を続ければ賢明でいられる、ということだ。

(翻訳:鐘田和彦)

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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