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軸索にできる「小さな突起」に、シナプスの形成と成熟のカギ!

岡部 繁男

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 2 | doi : 10.1038/ndigest.2013.130230

脳にある膨大な数のニューロンは、シナプスでつながれることで回路を構築し、記憶、学習、運動などの機能を果たす。しかしこれまで、シナプスができるようす自体をリアルタイムで詳細にとらえた研究はなく、その分子メカニズムにも、多くの謎が残されていた。このたび、東京大学大学院医学系研究科の岡部繁男教授らは、イメージングの手法により、シナプスの形成過程を鮮明にとらえることに成功した。

シナプス形成で解明されたこと

–– Nature ダイジェスト:一貫して、シナプスを対象に研究をされていますね。

岡部:はい。医学部時代より神経科学や精神科学に興味がありました。卒業後に解剖学教室に入り、ニューロンの形や、ニューロンどうしのつなぎ目であるシナプスに興味を持ちました。大学院時代に、シナプスの形作りをテーマに研究を始めました。最近はイメージングの手法を取り入れ、「シナプスはいったん大量に作られるが、その後でかなりの数が除去されること」「ある割合のシナプスは常に形成と除去を繰り返しており、形成はごく短時間に進む現象であること」などを明らかにしてきました。

–– シナプスの形成と除去について、これまでどのようなことがわかっていたのでしょう?

シナプスはニューロンが回路を作るための重要な「つなぎ目」となります。サルでは、誕生後の3か月でシナプスが大量に作られ、その後はゆっくり減っていくことがわかっており、ヒトでも同様だと考えられています。まず十分な数のシナプスが作られた後で、回路に組み込まれなかった不必要分が除去されるのだと思いますが、どのような分子メカニズムで制御されているのか、除去されるシナプスがどのように決められているのかといったことは明らかにされていません。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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