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脳損傷時のニューロン保護作用とグリア細胞のカルシウム濃度

飯野 正光

Nature ダイジェスト Vol. 10 No. 10 | doi : 10.1038/ndigest.2013.131020

受精の際、卵に精子が1つ入ると、カルシウムイオンの波が生じて2つ目が入れないようになる。この例のように、カルシウムは、さまざまな生命現象の制御シグナルとして機能している。このほど、東京大学大学院医学系研究科の飯野正光教授らは、脳が傷害を受けた際にも、カルシウムシグナルが発生して、グリア細胞がニューロンの保護活動を開始するらしいことを見いだした。

–– Natureダイジェスト:研究は、まず筋肉から入られたのですね。

飯野: そうです。私たちの研究室の2代前の教授は、カルシウムシグナル研究の先駆者だった江橋節郎先生です。今でこそ、カルシウムイオン(以下、Ca2+)のシグナルが、受精や発生、神経、免疫、ホルモン分泌などのさまざまな生命現象の制御に関与していると認識されていますが、江橋先生が発見した当時は「小さな無機イオンであるCa2+に、筋肉の収縮という重要な機能が果たせるのか」との懐疑的な意見が多くあったと聞きます。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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