生物学的性差・ジェンダー差
生物学的性別(セックス)による差は、個人レベルだけでなく、細胞レベルでも確認できることが分かってきました。それは時に、命に関わることが報告されています。また、社会的・文化的に形成された性別(ジェンダー)に関しても、特定のジェンダーに負担がのし掛かる、差別があるといった社会構造が問題となっています。全ての人が公正・平等に暮らすことを掲げるSDGsにおいても、男女格差の解消はゴールの1つに設定されています。性差/ジェンダー差を直視し、問題に取り組むことは、不公平や不便の解消だけでなく、命を守ることにもつながります。このCollectionでは、生物学的性差およびジェンダー差に関する記事を一覧にしています。
研究に性差分析を強く求めます
Nature および一部のNature 関連誌への投稿論文では、研究デザインにおいて性別やジェンダーをどのように考慮したか、詳しく報告いただくことになりました。
2021年8月号
周期表の発展を支えた女性科学者たちの物語
新元素の発見から既知元素の特性評価まで、周期表を形作る上で重要な役割を果たしてきた女性科学者たちに、化学史学者のBrigitte Van TiggelenとAnnette Lykknesが光を当てる。
2019年6月号
世界に広がる英国発の男女共同参画推進事業
学術機関における男女共同参画の推進度合いを格付けする英国の「アテネ・スワン」が、世界に広がりつつある。米国では、人種と障害にまで範囲を広げた計画の導入準備が進められている。
2017年12月号
雄の線虫で「ミステリー」ニューロン発見
調べ尽くされたと考えられていた線虫の神経系で、新たなニューロンが発見された。雄にしか見られないこの謎のニューロンに、神経科学者たちは関心を寄せている。
2015年12月号
大うつ病の遺伝子マーカー見つかる!
うつ病と関連する特定のゲノム塩基配列の探索は、これまで望み薄と考えられていたが、今回、大うつ病と強固な関連性を示す遺伝子が見つかった。この発見で、精神病に関係した遺伝子の捜索が熱を帯びそうだ。
2015年10月号
造血幹細胞にも性差がある
血球を作り出す造血幹細胞は、エストロゲンに応答して、雄より雌のマウスでより頻繁に分裂することが分かった。これはおそらく、雌が妊娠時により多くの血液を必要とするようになることに備えているためだろう。
2014年4月号
資金配分が少なすぎる脳疾患研究
このほど発表されたヨーロッパの神経・精神疾患に関する統計は、まさに衝撃的なものだ。この分野にもっと研究資金を振り向けるよう、明らかに現在のやり方を変える必要がある。
2011年12月号