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mRNAにコードされたCas13aによる齧歯類のインフルエンザおよびSARS-CoV-2感染の治療

Nature Biotechnology 39, 6 doi: 10.1038/s41587-021-00822-w

Cas13aは、細胞培養においてRNAウイルスの標的化に用いられているものの、動物モデルでの有効性は実証されていない。今回我々は、メッセンジャーRNA(mRNA)にコードされたCas13aを用いて、マウスのA型インフルエンザウイルス感染とハムスターの重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染の軽減を試みた。我々は、インフルエンザウイルスのPB1とPB2高度保存領域に特異的なCRISPR RNA(crRNA)、およびSARS-CoV-2のレプリカーゼとヌクレオカプシド遺伝子に対するcrRNAを設計し、細胞培養で最も効率的にウイルスRNA量を減少させるcrRNAを選抜した。そして、ポリマー製剤化したCas13a mRNAと検証済みのガイドをネブライザーで気道に投与した。マウスにおいて感染後にCas13aを投与すると、肺組織のインフルエンザRNAが効率的に分解された一方、ハムスターでは、Cas13aを投与することでSARS-CoV-2の複製が抑制され、症状が緩和された。今回の知見は、Cas13aを介した病原ウイルスの標的化によって、呼吸器感染症を軽減できることを示唆している。

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