Perspective

RNA治療薬のための細胞の障壁の突破

Nature Biotechnology 35, 3 doi: 10.1038/nbt.3802

低分子干渉RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)、アプタマー、合成mRNA、CRISPR–Cas9などのRNAに基づく治療薬は、現時点で創薬が困難な遺伝子および遺伝子産物の多くを対象とし、がんからパンデミックインフルエンザ、アルツハイマー病まで、疾病の全く新しい治療パラダイムを創出することが強く期待されている。しかし、そうしたRNA治療薬が潜在能力を十分に発揮するためには、まず、細胞外のRNAを細胞内に侵入させないという10億年の進化による防御を突破する必要がある。RNA治療薬の幅広い開発のためには、脂質二重層を突破してRNAを細胞内へ到達させることが依然として大きな未解決問題となっているが、最近の化学の進歩は、この進化の鎧に穴を開け始めている。

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