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ヒト腸内微生物相の773種に関するゲノム規模の代謝再構築の実現

Nature Biotechnology 35, 1 doi: 10.1038/nbt.3703

ヒトの腸内メタゲノムデータに由来するゲノム規模の代謝モデルは、微生物群集がヒトの代謝および健康をどのように調節するのかを解明するための枠組みとして用いることができる。本論文で紹介するAGORA(assembly of gut organisms through reconstruction and analysis)は、ヒト腸内細菌773種の半自動的に得られたゲノム規模代謝再構築リソースである。このリソースを用いることにより、Bacteroides caccae ATCC 34185株の増殖用培地が見いだされた。また、モデル種の相互作用がそれぞれの種の代謝能および利用可能な栄養素の両方に依存することも示された。AGORAの再構築成果は、メタゲノムまたは16S rRNAの塩基配列解読データセットと組み合わせることによって微生物群集の代謝の多様性を推定することができ、人手によるキュレーションを経た質の高い代謝再構築成果を得るための出発点となる可能性がある。AGORAは、ヒトの代謝に関する網羅的な代謝再構築成果「Recon 2」との親和性が十分であり、宿主・マイクロバイオーム間相互作用の研究を促進すると考えられる。

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