Computational Biology

薬物感受性予測アルゴリズムの評価および改善に向けた学界的取り組み

Nature Biotechnology 32, 12 doi: 10.1038/nbt.2877

ゲノム情報から最適な治療戦略を予測することは、精密医療の核心的な目標である。本論文では、ヒト乳がん細胞株で測定した1組のゲノム、エピゲノム、およびプロテオームのプロファイル解析データセットに基づく薬物反応の予測に焦点をあてた。我々は、米国立がん研究所(NCI)とDREAM(Dialogue on Reverse Engineering Assessment and Methods;リバースエンジニアリングの評価および方法に関する対話)プロジェクトの共同研究を通して、合計44種類の薬物感受性予測アルゴリズムを分析した。最も高性能な方法は、非線形的な関係をモデル化して生物学的経路の情報を組み込んだものであった。個々のプロファイル解析データセットの予測能力では、遺伝子発現マイクロアレイが常に最も優れていたが、複数の独立したデータセットを含めることで性能は向上した。また、最も高性能な方法「ベイズマルチタスク MKL」を支える技術革新について検討し、全ての方法の詳細を示した。本研究では、薬物感受性予測の基準を確立するとともに、新たな方法の開発に活用可能な方法を見いだした。

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