Computational Biology

低純度で不均質ながん検体の体細胞点変異の高感度検出

Nature Biotechnology 31, 3 doi: 10.1038/nbt.2514

体細胞点置換の検出はがんゲノム解析の重要な段階である。しかし、既存の方法では、腫瘍の不均質性または正常細胞の混入のために、配列が解読された細胞の一部集団でのみ生ずる対立遺伝子比が低い変異を見過ごしてしまうことが多い。本論文で紹介するMuTectは、ベイズ分類器を用いて対立遺伝子比がきわめて低い体細胞変異を検出する方法で、ごくわずかなリードで裏付けを行ってから、慎重に調整したフィルターを用いて特異性を高めている。また、シミュレーションデータではなく実際の配列データを用い、感度および特異性を解読深度、ベースクオリティ、および対立遺伝子比の関数として評価するベンチマーキング法も紹介する。ほかの方法に比べ、MuTectは同等の特異性で高い感度を示し、特に、対立遺伝子比が0.1以下の変異ではその傾向が強かった。これによりMuTectは、標準的なエキソームおよびゲノムの配列解読データでのがんサブクローンおよびその変化の研究に特に有用である。

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