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全ゲノム塩基配列解読法の比較

Nature Biotechnology 30, 1 doi: 10.1038/nbt.2104-2

イルミナ社(米国カリフォルニア州サンディエゴ)の合成による配列解読法またはコンプリート・ゲノミクス社(同マウンテンビュー)のライゲーションによる配列解読法を用いれば、高カバー率のヒト全ゲノム塩基配列解読が最も経済的に行われる。Snyderらは、この2つの技術プラットフォームで、同じ被験者の血液試料と唾液試料を用いて約76倍のカバー率で塩基配列解読を行い、確立されたアルゴリズムで一塩基多型(SNP)、挿入、欠失の判定を行って2つのプラットフォームの性能を比較した。1つのプラットフォームのみで判定されたSNPは全体の約12%で、その75%以上がイルミナ社のデータから判定された。SNP遺伝子型判定アレイ、サンガー塩基配列解読法、および特製の標的捕捉塩基配列解読法による検証では、両プラットフォームでほぼ同じ既知の多型が同定され、一方のプラットフォームのみで判定された多型の偽陽性率が35%以上となる可能性が示唆された。予想されたことと考えられるが、そうした多型の多くはゲノムの反復領域に原因を求めることができる。この2つのプラットフォームを用いて試料の塩基配列解読を行えば、最も正確に多型が判定される、と研究チームは結論づけている。

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