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リンパ輸送および補体活性化をナノ粒子ワクチンに利用する

Nature Biotechnology 25, 10 doi: 10.1038/nbt1332

ワクチン開発では、樹状細胞への抗原の送達を促進する抗原の標的指向化、およびその活性化を誘導するアジュバント法が模索されてきた。本研究では、リンパ節に存在する樹状細胞を間質液の流れを介して標的化し、in situの補体活性化でこれを活性化させるナノ粒子に関して、ワクチンの基盤としての利用可能性を検討した。皮内投与すると、超小型ナノ粒子(25 nm)は間質液の流れによってリンパ毛細管およびそれに続くリンパ節にきわめて効率的に輸送され、リンパ節に存在する樹状細胞の半数が標的化されたが、100 nmのナノ粒子の効率はそのわずか10 %であった。このナノ粒子は界面化学的に補体カスケードを活性化し、in situで危険信号を発生させて樹状細胞を強く活性化した。モデル抗原のオボアルブミンを固定したナノ粒子を用いることにより、サイズおよび補体依存的な液性および細胞性免疫の成立がマウスで示された。

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