Nature

Cover Story: 煙の警告:山火事による大気汚染への曝露が全世界で増えている

Nature 621, 7979 (2023年9月21日)

近年の山火事の頻度と激しさの増大によって、荒廃と生命への脅威の観点で差し迫った明白な損失がもたらされている。しかし、こうした火災によって生じる大気汚染の影響は、あまり明らかになっていない。今回R Xuたちは、2000〜2019年の景観火災(主に山火事であるが、開放地の計画的な火入れや野焼きも含む)による大気汚染への全球の人間の曝露の見積もりを提示している。著者たちは、景観火災が、2010〜2019年のオゾンの年間総曝露量の3.6%、直径2.5 μm未満の粒子状物質(PM2.5)の総曝露量の6.1%に寄与しており、個々人が、平均すると毎年9.9日間、大規模な火災に起因する汚染にさらされていると見積もっている。そして、世界中の人々が景観火災による汚染にますますさらされるようになっているが、曝露レベルには著しい格差があり、低所得国の人々は高所得国の人々より4倍高いレベルの火災に起因するPM2.5やオゾンにさらされていると結論付けている。

今週の目次とハイライト

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その他のハイライト

Nature 創刊150周年記念特集

Nature ダイジェスト

Nature は次に何をすべきか

2020年4月号

Nature が150周年を迎えたのを機に、その価値観と、Nature を改善する方法について考えることにした私たちは、読者の意見をどうしても聞きたくて、アンケート調査を実施しました。

イベントレポート

日本の科学の未来
― 持続可能な開発目標の達成に向けたビジョン ―

1869年創刊のNature は今年150周年を迎える。これを記念するシンポジウムが東京大学安田講堂で開催され、日本の科学のトップランナーである大隅良典氏、柳沢正史氏や、Nature 編集長のMagdalena Skipperらが集った。日本の科学の未来を各氏はどう見ているか。自らの研究や体験をもとに語り、意見が交換された。

Nature 創刊150周年記念特集

著者インタビュー

柳沢 正史氏

「私」とNature  混沌状態をすっきりさせるような研究が好き

長田 重一氏

長田重一大阪大学免疫学フロンティア研究センター教授は、アポトーシス(プログラム細胞死)の分子メカニズムの解明など、すばらしい業績を残してきた。いくつもの論文が引用ランキングに並ぶ。その始まりは、1980年に成功したインターフェロンα遺伝子のクローニングだった。

柳沢 正史氏

「私」とNature  “ねむけ”の謎を解明したい

柳沢 正史氏

筑波大学大学院時代に見つけた血管収縮物質が世界の研究者の注目を集め、米国テキサス大学にスカウトされて1991年に渡米。後を追って留学してきた後輩の櫻井武(現・筑波大学 国際統合睡眠医学科研究機構;IIIS)とともにオレキシンを発見する。この脳内の神経伝達物質が睡眠と覚醒に関係していることから、本格的に睡眠学の研究を開始。現在IIISを主宰して、「ねむけとは何か」の解明を目指している。

その他のNature 著者インタビュー

Nature Café

ネイチャー・リサーチが主催するサイエンスカフェです。グローバルな視点から様々な分野のサイエンスについて、カジュアルな雰囲気の中、一緒に語り合います。

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