Nature ハイライト

Cover Story:熱生成への一歩:核融合による電力への重要なステップを刻んだ燃焼プラズマ

Nature 601, 7894

国立点火施設(NIF)の前置増幅器。
国立点火施設(NIF)の前置増幅器。 | 拡大する

Credit: Damien Jemison

核融合を用いた自立的なエネルギー生成の重要な要件の1つは、核融合が起こるプラズマをそれ自体の核融合によって加熱することである。今回、米国カリフォルニア州にあるローレンス・リバモア国立研究所の国立点火施設(NIF)のA Zylstraたちは、プラズマを維持する主要な熱源が核融合である「燃焼プラズマ」領域を実証している。著者たちは、192本のレーザーを用いて、重水素とトリチウムのプラズマを生成した。そして、実験設定を最適化することで、プラズマが自己加熱するようになる条件を生み出すことができた。これは、核融合発電を実現可能にするのに重要な一歩である。表紙は、著者たちが燃焼プラズマの生成に用いた標的の1つである(重水素・トリチウム燃料カプセルが、中心の円形の窓の中に見える)。

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