Article

神経変性:ヒト脳における加齢依存的なTMEM106Bアミロイド繊維の形成

Nature 605, 7909 doi: 10.1038/s41586-022-04650-z

アルツハイマー病やパーキンソン病などの加齢に伴う神経変性疾患の多くは、大量のアミロイド繊維の封入体を特徴とする。タウ、アミロイドβ、α-シヌクレイン、TARDBP(transactive response DNA-binding protein、別名TDP-43)のタンパク質による繊維状封入体は最もありふれたものである。今回我々は、クライオ電子顕微鏡による構造決定を用いて、リソソームのII型膜貫通型タンパク質であるTMEM106B(transmembrane protein 106B)の120~254残基も、ヒトの脳でアミロイド繊維を形成することを明らかにする。我々は、孤発性および遺伝性のタウオパチー、アミロイドβアミロイドーシス、シヌクレイノパチー、TDP-43プロテイノパチーなどのアミロイド沈着を豊富に持つ22人のいくつかの脳領域と、神経学的に正常でアミロイド沈着を全く持たない、あるいは少数持つ3人の前頭皮質に由来するTMEM106B繊維の構造を決定した。3種類のTMEM106B折りたたみが観察されたが、折りたたみと疾患の間に明確な関連性は見られなかった。TMEM106B繊維は、TMEM106Bのカルボキシ末端領域に特異的な抗体により検出される、29 kDaのサルコシル不溶性断片と球状の細胞質封入体に相関していた。神経学的に正常な高齢者の脳ではTMEM106B繊維が確認されたが、若齢者では見つからないため、この繊維は加齢依存的に形成されると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度