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免疫学:TLR7遺伝子の機能獲得バリアントはヒトループスを引き起こす

Nature 605, 7909 doi: 10.1038/s41586-022-04642-z

増強されたToll様受容体7(TLR7)シグナル伝達が、ヒトの全身性自己免疫疾患の機序であることを支持する状況証拠はあるが、TLR7遺伝子のバリアントがループスの原因となるという証拠はない。今回我々は、TLR7の機能獲得バリアントによって引き起こされるヒトループス(ヒト全身性エリテマトーデス)について報告する。TLR7はウイルスRNAのセンサーであり、グアノシンに結合する。我々は、重度のループスの1人の小児において、これまでに報告のないde novoのTLR7Y264Hミスセンスバリアントを見いだすとともに、他のループス患者で別のバリアントを特定した。TLR7Y264Hバリアントは、グアノシンと2′,3′-cGMPの感知を選択的に上昇させ、これをマウスへ導入するとループスを引き起こすのに十分であった。我々は、増強されたTLR7シグナル伝達が、B細胞受容体(BCR)の活性化されたB細胞の異常な生存を引き起こし、細胞内因性にCD11c+老化関連B細胞や胚中心B細胞の蓄積を誘導することを示す。濾胞性ヘルパーT細胞と濾胞外ヘルパーT細胞も増加していたが、これらの表現型は細胞外因性であった。MyD88(TLR7下流のアダプタータンパク質)を欠損すると、自己免疫、異常なB細胞生存、そして全ての細胞表現型と血清学的表現型が救済された。Tlr7Y264Hマウスでは顕著な自発性の胚中心形成があるにもかかわらず、胚中心の欠損では自己免疫が改善されないため、病原性B細胞の原因は濾胞外にあることが示唆された。我々の研究は、ヒトループスの病因に対するTLR7やグアノシンを含む自己由来のリガンドの重要性を明らかにしており、この結果は、TLR7やMyD88の阻害療法に向けて道を開くものである。

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