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免疫学:小児および成人におけるSARS-CoV-2感染に対する局所的応答と全身的応答

Nature 602, 7896 doi: 10.1038/s41586-021-04345-x

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が一般的に小児で軽症である理由は十分に解明されていない。今回我々は、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)感染に対する小児と成人の応答の違いを調べるため、小児および成人のCOVID-19患者、ならびに健常対照者(計n = 93)でマッチする鼻腔、気管支、血液検体を採取し、単一細胞マルチオミクス解析を行った。健康な小児の気道では、すでにインターフェロンによる活性化状態にある細胞集団が観察され、SARS-CoV-2感染後には特に気道の免疫細胞でその活性化がさらに誘導された。小児では、自然免疫のインターフェロン応答が成人よりも高度であることが、ウイルス複製および疾患の進行の抑制に有効に作用していると考えられる。SARS-CoV-2感染における小児の全身性免疫応答の特徴は、ナイーブリンパ球の増加とナチュラルキラー細胞の減少であり、これに対して成人では細胞傷害性T細胞とインターフェロンにより刺激された亜集団が有意に増加していた。また我々は、感染初期に樹状細胞がインターフェロンシグナル伝達を開始させるという証拠を示し、COVID-19と年齢に相関する気道上皮細胞の状態を特定した。マッチする鼻腔および血液データから、気道の強いインターフェロン応答とともに全身性のインターフェロンにより刺激された細胞集団の誘導が明らかになったが、この全身性の細胞集団は小児患者では著しく少なかった。これらの結果から、小児COVID-19の臨床症状が成人よりも軽度な理由を説明する、いくつかの機序が明らかになった。

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