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量子情報:表面符号しきい値を超えるスピンキュービットを用いた量子論理

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04273-w

量子ビット(キュービット)の高忠実度制御は、量子アルゴリズムの確実な実行と、誤り耐性(誤りが生じるよりも速くこれを修正する能力)の実現に最も重要である。誤り耐性の主要な要件は、誤りしきい値で表現される。実際のしきい値は多くの細目に依存するが、共通の目標は、約1%というよく知られた表面符号の誤りしきい値である。99%を上回る2キュービットゲートの忠実度を達成することは、長年にわたる半導体スピンキュービットの大きな目標であった。こうしたキュービットは、先進的な半導体技術を活用できるため、スケーリングに有望である。今回我々は、ゲートセットトモグラフィーから、単一キュービットゲートと2キュービットゲートの両方で99.5%以上の忠実度が得られる、スピンを用いたシリコンの量子プロセッサーを報告する。単一キュービットゲートの平均忠実度は、隣接キュービット上のクロストーク誤りやアイドリング誤りを含めても99%より上に保たれていた。我々は、この高忠実度ゲートセットを用いて、変分量子固有値計算アルゴリズムを用いた分子の基底状態エネルギーの計算という困難なタスクを実行した。2キュービットゲートの忠実度が99%の壁を超えたことで、半導体キュービットは、誤り耐性や、雑音の多い中規模量子デバイスの時代における応用の可能性への道において、良い位置に付けている。

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