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光物理学:非エルミートなフロケ準結晶におけるトポロジカル三重相転移

Nature 601, 7893 doi: 10.1038/s41586-021-04253-0

相転移は物質の異なる状態をつなぐものであり、対称性の自発的破れと同時に起こることが多い。相転移の重要な種類の1つが移動度の転移で、その中によく知られたアンダーソン局在があり、これは乱雑さの増大によって金属–絶縁体転移が誘起されるというものである。物性物理学にトポロジーが導入されたことで、トポロジカル相転移や、トポロジカル絶縁体のような物質の発見につながった。非エルミート系の対称性における相転移によって、保存された平均エネルギーや新しいトポロジカル相への遷移が記述される。だが、バルク伝導、トポロジー、非エルミートな対称性の破れは、一見すると異なる物理から現れるため、分離可能な現象であるように見える可能性がある。しかし、非エルミート準結晶では、そうした相転移は三重相転移を形成することによって相互に関連し得る。今回我々は、1つのパラメーターの変化によって、局在化相転移(金属–絶縁体転移)、トポロジカル相転移、パリティ–時間対称性の破れの相転移(エネルギー相転移)が同時に生じる、という三重相転移を、実験的に観測したことを報告する。この物理現象は、時間的に駆動される(フロケ)散逸準結晶において現れる。我々は、今回のアイデアを、結合させた光ファイバーループにおけるフォトニック量子ウォークを通して実装した。我々の研究は、非エルミート準結晶合成物質におけるトポロジー、対称性の破れ、移動度の相転移の結び付きを浮き彫りにするものであり、今回の結果は、バルク輸送やエッジ輸送、環境とのエネルギー交換や粒子交換を予測・制御できる相変化デバイスに応用される可能性がある。

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