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メンタルヘルス:ヘルプラインへの電話相談から明らかになったCOVID-19パンデミック中のメンタルヘルス上の懸念

Nature 600, 7887 doi: 10.1038/s41586-021-04099-6

メンタルヘルスは公衆衛生の、特に危機の際の、重要な要素である。しかし、公衆メンタルヘルスのモニタリングは、データが断片的で低頻度であることが多いため、困難である。今回我々は、既存の手法を、ヘルプラインからのデータを用いることで補完した。ヘルプラインデータは、広範な相談内容で「明らかになった」悩みやメンタルヘルス上の懸念のリアルタイムの指標となる。我々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機に焦点を合わせ、19か国からの800万件の電話相談に基づくデータを収集した。電話相談の件数は最初のアウトブレイク(集団発生)後、6週間でピークに達し、パンデミック(世界的大流行)前の水準より35%高かった。この増加は主に恐怖(感染の恐怖を含む)と孤独感、そしてその後のパンデミック中では、身体的健康に関する懸念によるものであった。一方で、人間関係の問題、経済的な問題、暴力、自殺念慮は、パンデミック前よりも減少した。このパターンは、COVID-19の第一波やその後の流行の波でも見られた。従って、パンデミックと直接結び付いた問題は、心の底にある不安を悪化させたというよりも、それらと置き換わったと思われる。感染率に依存して、自殺に関連する電話相談は、封じ込め政策が強化されると増加し、所得補助が延長されると減少した。これは経済的な安心感が、ロックダウン対策によって引き起こされる悩みを軽減できることを意味し、ヘルプラインデータの統計解析から得られる手掛かりを明らかにしている。

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