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神経科学:眼窩前頭皮質はナビゲーションの未来の目的地の地図を形成する

Nature 599, 7885 doi: 10.1038/s41586-021-04042-9

望ましい目的地に向かって正確にナビゲーションするには、現在の位置と未来の目的地との間の空間関係を、探索の間絶えず見積もり続ける必要がある。海馬体のニューロンは、動物の位置とその周辺の経路を表現できることが知られているが、目的地決定へのそれらのニューロンの役割については疑問が持たれている。つまり、能動的探索の際、脳が目的地の正確な予測を持ち続けているか否かは、いまだ分かっていない。本論文では、ラットの眼窩前頭皮質(OFC)のニューロンが、動物が次に目指す目的地をナビゲーション中常に指し示し続ける空間表現を形成することを報告する。この目的地に対する神経細胞表現は、ナビゲーションを開始する直前に、離れた場所にある目的地を直接知覚することなしに形成され、さらには、動物が誤った試行を始める際には、これから向かう間違った目的地すら予測する。OFCの目的地表現は、それぞれの目的地に応じた神経集団ダイナミクスの中に保持されていて、この表現を探索開始時に短時間摂動を与えると、ナビゲーションエラーを生じる。これらの知見から、OFCが脳内の目的地地図の一部を形成し、動物が知覚認識の範囲を超えた選択された目的地まで正確にナビゲーションすることを可能にしていると示唆される。

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