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進化学:苔虫動物門がカンブリア紀前期に出現したことを示す化石証拠

Nature 599, 7884 doi: 10.1038/s41586-021-04033-w

苔虫動物(外肛動物としても知られる)は、水生で大部分が固着性の濾過摂食する触手冠動物であり、モジュール式の群体(クローン)が有機質または石灰質の外骨格を構築する。苔虫動物の非常に多様な6つの主要な目が前期オルドビス紀の岩石に存在することは、触手冠動物の中で最も大きく最も多様なこの門の起源がカンブリア紀にあることを強く示唆している。しかし、カンブリア紀の苔虫動物として説得力のある化石は欠如しており、この分類群の真の起源およびその最初期の種の形質の組み合わせの解明が妨げられてきた。今回我々は、オーストラリアと中国南部で出土した、カンブリア紀前期の、起立性で二層性の二次的にリン酸塩化したミリメートルサイズの化石Protomelission gatehouseiが、ステム群苔虫動物の候補であることを示す。この化石に見られる、単一形の個虫カプセル、モジュール式の構造、有機質の組成、単純な線形の出芽成長形状は、有機質の裸喉綱(裸口綱)と生体鉱物化した狭喉綱(狭口綱)の特徴的な形質の混合となっており、系統発生解析ではP. gatehouseiがステム群苔虫動物と特定された。これにより、苔虫動物門の起源はカンブリア紀ステージ3の他の全ての有骨格動物門と同時期となり、その最初の出現時期は約3500万年さかのぼることになった。この結果はまた、この化石記録と、苔虫動物門がカンブリア紀前期に出現し、続くオルドビス紀に炭酸塩骨格を獲得して放散したとする分子時計による推定結果の折り合いをつけるものである。

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