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コロナウイルス:強化学習による効率的で対象を絞ったCOVID-19入国検査

Nature 599, 7883 doi: 10.1038/s41586-021-04014-z

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の期間を通して、各国は、全旅行者の隔離から、集団レベルの疫学的指標(症例数、死亡者数、検査陽性率など)に基づく一部の国からの入国制限まで、さまざまな臨時入国管理プロトコルを用いて、公衆衛生を守りつつ不要不急の渡航を可能にしてきた。今回我々は、Evaという強化学習システムの設計と性能について報告する。Evaは2020年夏、ギリシャの全ての国境において、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した無症候性旅行者の流入を制限し、COVID-19有病率のリアルタイムでの推定により国境政策に情報を提供する目的で導入された。国規模のプロトコルとは対照的に、Evaはギリシャの限られた検査資源を、入国してくる旅行者の人口統計学的情報とこれまでの旅行者の検査結果に基づいて配分した。Evaの性能をモデル化された反事実シナリオと比較することにより、我々は、Evaが、無作為サーベイランス検査の1.85倍の無症候性感染旅行者を特定し(旅行のピーク時には最大2〜4倍)、疫学的指標のみを用いる検査方針に比べて1.25〜1.45倍の無症候性感染旅行者を特定したことを示す。この後者の恩恵が生じた理由は、少なくとも部分的には、集団レベルの疫学的指標では無症候性旅行者におけるSARS-CoV-2の実際の有病率の予測値が限られており、2020年夏には強力な各国固有の特異性が見られたためであることが実証された。我々の結果から、国際的に提案された、集団レベルの疫学的指標に基づく国を問わない国境管理政策の有効性に対して重大な懸念が浮かび上がる。その代わりに、我々の研究は、強化学習とリアルタイムデータにより公衆衛生を守れる可能性を示した1つの成功例である。

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