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生態学:陸域生態系の機能に関する3つの主要な成分

Nature 598, 7881 doi: 10.1038/s41586-021-03939-9

葉の経済的スペクトル、ならびに植物の形態および機能の全球的スペクトルから、植物形質の変動の基本成分が明らかになっており、そうした成分は、植物種の進化的発生によって形作られるさまざまな生態学的戦略を表している。生態系機能は、環境条件と、生態学的群集を構成する種の形質に依存する。しかし、生態系機能の変動の成分はほとんど明らかにされていないため、人為的な要因、気候、環境の変動に対し生態系が全体としてどう応答するのかに関しては解明が進んでいない。本研究では、主要な陸域バイオームにわたる地表面ガス交換測定値のデータセットから、一群の生態系機能を導き出した。その結果、生態系機能内の変動の大半(71.8%)が、3つの主要な成分で捉えられることが分かった。第1の成分は生態系の最大生産力を反映しており、大部分は植生の構造によって説明される。第2の成分は生態系の水利用戦略を反映しており、植生の高さと気候の変動を組み合わせて説明される。第3の成分は生態系の炭素利用効率を表しており、乾燥度に関連した勾配を特徴としていて、主に植生構造の変動によって説明される。我々は、最先端の2つの地表面モデルが、生態系機能の最も重要な成分である第1の成分を再現することを示す。しかし、これらのモデルでは機能間の相関が観測よりも強くシミュレートされる傾向があり、そのため、陸域生態系の炭素、水、エネルギー循環の環境的変化に対する応答の全容を正確に予測する能力には限界がある。

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