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食餌:国々を養うための水産食品

Nature 598, 7880 doi: 10.1038/s41586-021-03917-1

水産食品は、数十億人の人々の健康な食餌に貢献しているにもかかわらず、栄養に関する解決策としては過小評価されることが多く、これは、水産食品の多様性が単一の食品タイプ(「魚介類」または「魚類」)のタンパク質・エネルギー値に単純化されることが多いためである。今回我々は、水産食品が人類の栄養に及ぼす将来的な影響を理解するため、陸産食品と3000近いタクソンの水産食品を1つにまとめた結合モデルを作成した。我々は、2030年までの妥当と思われる未来を2通り予測した。1つは、水産動物由来食品(AASF)の生産が緩やかに増加する基準シナリオで、もう1つは、主に養殖生産における投資とイノベーションによって駆動され、2030年のAASF供給量が現状推移型の基準シナリオより1500万トン増加する高生産シナリオである。両シナリオ間のAASF消費の変化を比較することで、地理的および人口学的な脆弱性が明らかになり、食餌関連の原因による健康への影響が推定された。世界的に、高生産シナリオではAASFの価格が26%低下してその消費が増加し、これによって、食餌関連の非感染性疾患につながることのある赤肉肉や加工肉の消費が減少して、微量栄養素の摂取不足も約1億6600万件予防されることが分かった。今回の知見は、政策立案者および開発出資者に対して、食料栄養不安を緩和し、あらゆる種類の栄養不良に取り組むために水産食品の可能性を利用することについての、幅広い証拠基盤を提供するものである。

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