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分子生物学:RecAは次元を削減した探索によって相同なDNAを見つけ出す

Nature 597, 7876 doi: 10.1038/s41586-021-03877-6

相同組換えは、DNA二本鎖切断(DSB)の正確な修復に極めて重要である。RecBCD複合体は、最初にDSBの末端を切除して3′側にDNA一本鎖を作り、そこにRecAが集まってフィラメントを形成する。次に、このフィラメントが姉妹染色体上で相同な修復用鋳型の位置を決める。今回我々は、ハイスループットマイクロ流体装置と蛍光顕微鏡を用いて、DSBの修復を単一細胞レベルで直接画像化した。大腸菌(Escherichia coli)では、分離した姉妹遺伝子座間のDSB修復が、適応度の喪失を最小限に抑えながら15 ± 5分(平均±標準偏差)で完了することが分かった。さらに、探索自体にかかる時間は9 ± 3分(平均±標準偏差)未満であり、探索を仲介するのは、細胞内全体に伸びる細くて非常に動的なRecAフィラメントであることも明らかになった。我々は、RecAフィラメントの構造が、探索の次元を効率よく削減させると考える。このモデルで予測される探索時間は我々の測定値と一致し、また探索時間が細胞の長さやDNAの量に依存しないという観察結果もこのモデルを裏付けている。RecAの相同体が豊富にあることからみても、このモデルは生物全体にわたって広く保存されていると我々は確信する。

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