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発生生物学:ヒト腸管の細胞の時空間的マッピング

Nature 597, 7875 doi: 10.1038/s41586-021-03852-1

ヒトの腸管の細胞の全体像は、生涯にわたって動的であり、子宮内で発生して、機能的な要求や環境への曝露に応答して変化する。今回我々は、細胞系譜を包括的にマッピングするために、ヒトの発生中の腸の最大5か所の解剖学的領域と、健康な小児および成人の腸の最大11か所の異なる解剖学的領域から得た、計約50万個の細胞について、単一細胞RNA塩基配列解読と抗原受容体解析を行った。その結果、ヒトの腸管全体に転写状態が異なるBEST4上皮細胞が存在することが明らかになった。さらに、IgG感知が腸の刷子細胞(タフト細胞)の機能の1つとして関連付けられた。我々は、発生中の腸神経系における神経細胞集団について説明し、ヒルシュスプルング病に関連する遺伝子群の細胞タイプ特異的な発現について予測した。また我々は、システム解析の手法を用いて、ヒトの初期発生で二次リンパ組織の形成を引き起こす主要な細胞群を特定した。これらのプログラムは炎症性腸疾患で用いられて、炎症部位に免疫細胞を誘導および保持することが示された。この腸細胞のカタログは、発生、恒常性、疾患における細胞プログラムについての新しい手掛かりになるだろう。

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