Article

政治学:市民議会の選出のための公平なアルゴリズム

Nature 596, 7873 doi: 10.1038/s41586-021-03788-6

近年、「市民議会」が世界的に急増している。市民議会とは、無作為に選出された構成員からなるパネルが政策問題に提言などを行う、市民参加の一形態である。こうしたパネルを選出する無作為プロセスは、2つの性質を満たすことが求められる。第一に、選出されたパネルが集団を代表するものであること、第二に、民主的平等の精神にのっとり、個々人がこのパネルに選出される確率は理想的には同一であることが望ましい。しかし実際には、部分集団の間で参加率が異なるため、これら2つの要望を同時に満たすことは難しい。今回我々は、公平分割の概念を適用して、これら2つの要望を可能な限り同時に満たす選出アルゴリズムを複数開発した。我々の選出アルゴリズムは、「平等への近さ」の多くの指標に関して、個人を数学的に可能な限り平等に近い確率で選びながら代表パネルを選出する。そうしたアルゴリズムの1つの実装は、すでに世界各地で40を超す市民議会の選出に使用されている。10の市民議会のデータを用いた実証から分かるように、過去の最高水準を代表するベンチマークの代わりに我々のアルゴリズムを採用することで、選出の確率の公平性は大幅に向上する。我々の研究は、より公平で道義的かつ展開可能性なアルゴリズムを提供することにより、より確固たる基盤の上での抽選の実施を可能にし、さらには、市民議会を、公平分割の分野からの知見が影響力の大きな応用につながり得る領域として確立するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度