Article

免疫学:繊維芽細胞系譜の組織をまたぐ構成

Nature 593, 7860 doi: 10.1038/s41586-021-03549-5

繊維芽細胞は非造血系の構造細胞で、器官の構造を定め、組織に常在する細胞の恒常性を支え、繊維症、がん、自己免疫、創傷治癒で重要な役割を担っている。最近の研究で、個々の組織内の繊維芽細胞の不均一性が報告されている。しかし、この分野では、健康な器官および疾患状態の器官の組織をまたいだ単一細胞分解能での繊維芽細胞の特徴付けは行われていない。今回我々は、17の組織、50のデータセット、11の疾患状態、2つの種にわたる約23万の繊維芽細胞から得られた単一細胞トランスクリプトームデータを統合することで、複数の繊維芽細胞アトラスを構築した。これらのマウス繊維芽細胞アトラスとDptIRESCreERT2ノックインマウスから、組織をまたいだ2つの普遍的な繊維芽細胞転写サブタイプが特定された。我々の解析から、これらの細胞はリザーバーとして機能して、広範な定常状態の組織では特殊化した繊維芽細胞を、そして疾患状態においては活性化した繊維芽細胞を生み出せることが示唆された。撹乱状態のヒト繊維芽細胞アトラスとの比較から、繊維芽細胞の転写状態がマウスとヒトの間で保存されており、それには普遍的な繊維芽細胞やヒトのがん、繊維症、関節炎、炎症の病原性に関連する活性化表現型などが含まれることが示された。まとめると、単一細胞分解能でのトランスクリプトミクスのための種をまたいだ全組織的手法により、健康および疾患における繊維芽細胞系譜の重要な構成原理が明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度