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神経科学:マウス前頭前野はカテゴリー化のための学習済みルールを表現する

Nature 593, 7859 doi: 10.1038/s41586-021-03452-z

感覚刺激をカテゴリー化する能力は、複雑な環境中での動物の生存に重要である。個別の例ではなくカテゴリーの記憶は、行動の柔軟性を高めることができる上に、神経演算的にも有利である。カテゴリー選択性を示すニューロンは哺乳類の大脳新皮質のいくつかの領域で見つかっているが、こうした文脈では前頭前野が大きな役割を持つように思われる。特に霊長類では、広範なカテゴリー化課題の訓練を受けると、前頭前野のニューロンは学習済みのカテゴリーを素早く柔軟に表現するようになる。しかし、未学習の個体でこうした神経表現が最初にどのように現れるかは調べられておらず、そのため、柔軟な表現が意味記憶の一部として徐々に構築されていくのか、それとも課題実行中にほぼ瞬時に割り当てられるのかは分かっていない。今回我々は、マウスの内側前頭前野で個々の細胞を繰り返し画像化することで、ニューロンのカテゴリー表現の形成を学習の全過程にわたって調べた。その結果、マウスはルールに基づくカテゴリー化を容易に学習し、それを新規刺激に一般化することが分かった。学習の期間全体にわたり、前頭前野の各ニューロンはカテゴリー選択性の獲得においてそれぞれ異なる時間的変化を示し、その後ルールを変更した際にはそれぞれ異なる関与を示した。一部のニューロンはカテゴリーに対して選択的かつ一義的に応答し、一般化の挙動を示した。従って、マウス前頭前野におけるカテゴリー表現は、その場で動員されるのではなく、学習中に段階的に獲得される。こうした段階的過程から、内側前頭前野のニューロンは、視覚的なカテゴリーのための特異的な意味記憶の一部をなすと示唆される。

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