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化学:アミド合成のためのリガーゼの発見、特性評価、操作

Nature 593, 7859 doi: 10.1038/s41586-021-03447-w

コロナチンとこれに関連する細菌植物毒素は、生理学的に重要な植物シグナル伝達経路を媒介するジャスモニル-L-イソロイシン(JA-Ile)というホルモンの模倣体である。コロナチン様植物毒素は、こうした必須の経路を阻害し、より安全でより選択的な除草剤の開発において可能性を持つ。コロナチンの生合成についてはこれまで調べられてきたが、コロナファシン酸とアミノ酸の重要なカップリングを触媒する酵素の性質は、まだ分かっていない。今回我々は、コロナファシン酸リガーゼ(CfaL)という酵素ファミリーの特性を評価し、その構造を解明した。その結果、CfaLは、植物においてJAとL-Ile の連結を担うJar1酵素との類似性が低いにもかかわらず、同様にJA-Ileを生成できることが見いだされた。これは、Jar1とCfaLが独立に進化して、類似の反応(Jar1は植物発育に不可欠な化合物を生成し、CfaLは植物にとって有毒な類似体を生成する)を触媒するようになったことを示唆している。我々はさらに、CfaL酵素を用いて、保護基を必要とせずにさまざまなアミドを合成する方法を実証する。ラセミドナー基質やラセミアクセプター基質の高選択的な速度論的分割が達成され、これによりホモキラル生成物が得られた。また我々は、構造誘導変異誘発を用いて、改良型CfaL変異体を作製した。まとめると今回の結果は、CfaLによって農薬や医薬品などの用途向けのさまざまなアミドが得られることを示している。

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