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コロナウイルス:英国におけるSARS-CoV-2のB.1.1.7系統の伝播性を評価する

Nature 593, 7858 doi: 10.1038/s41586-021-03470-x

英国公衆衛生庁によって、懸念される変異株(VOC)202012/01に指定された重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のB.1.1.7系統は、2020年の晩夏から初秋にかけて英国で初めて特定された。コミュニティーでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診断検査で収集されたSARS-CoV-2の全ゲノム塩基配列データは、B.1.1.7系統が2020年秋に非常に急速に拡大したことを示しており、これは、この変異株に選択的優位性があることを示唆している。今回我々は、遺伝学的データから推測されるVOC頻度の変化は、コミュニティーでの診断用PCR検査時にSGTF(S gene target failure;S遺伝子を標的とするPCRは偽陰性になる)によって推測される変化とよく一致していることを示す。英国全土の各地におけるSGTFと非SGTFの症例数の傾向の解析から、潜伏期間や世代時間に違いがあっても、B.1.1.7は非VOC系統よりも伝播性が高いことが示された。SGTFのデータでは、報告された症例の年齢構成に一時的な変化が見られ、B.1.1.7の症例は非VOC症例よりも20歳未満の占める割合が大きかった。我々はSGTFやゲノムデータを用いて、B.1.1.7や同時流行している他の系統に対する時間変化する基本再生産数を推定した。最もよく支持されたモデルは、異なる年齢集団間でVOCの伝播性に大きな差を示さなかったが、いずれの解析でも、B.1.1.7は他の系統よりも伝播優位性が高く、基本再生産数が50〜100%高いことは一致していた。

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