Article

天体物理学:これまで静穏だった2つの銀河からの準周期的なX線爆発

Nature 592, 7856 doi: 10.1038/s41586-021-03394-6

準周期的爆発(QPE)は、X線放射の非常に大きな振幅の爆発事象で、数時間ごとに繰り返し、銀河核の中心部にある超大質量ブラックホール付近を起源とする。こうした事象が何によって引き起こされ、どのくらいの時間持続し、内側の降着流の物理的特性とどのように関連しているのかは、今のところ分かっていない。これまで、そうした天体は、偶然見つかったものとアーカイブデータ中に見つかったものの2つしか知られておらず、可視光スペクトルの輝線から、それらの銀河核は、活発に降着を受けている超大質量ブラックホールを有する天体に分類されている。本論文では、X線による系統的なブラインド半天探査によって、新たに2つの銀河でQPEを観測したことを報告する。これらの銀河の可視光スペクトルはブラックホールの活動の兆候を示さないことから、活動銀河核に典型的な既存の降着流は、QPEを引き起こすのに必要でないことが示唆された。実際、今回報告するQPEの周期や振幅、プロファイルは、降着円盤中の輻射圧によって駆動される不安定性を必要とする現在のモデルとは相いれない。むしろQPEは、軌道運動するコンパクト天体によって引き起こされている可能性がある。さらに、観測されたQPEの特性は、伴星の質量は主星の質量よりもはるかに小さい必要があることを示しており、将来のX線観測によって、軌道進化に起因してそれらの周期に生じ得る変化が絞り込まれる可能性がある。このモデルによって、QPEが、いわゆる質量比が極端なインスパイラル(extreme-mass-ratio inspiral)の電磁波対応天体の有望な候補となり、マルチメッセンジャー天体物理学や宇宙論に大きな影響を及ぼす可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度