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気候科学:陸域の炭素取り込み量の変動を支配する土壌水分と大気の間のフィードバック

Nature 592, 7852 doi: 10.1038/s41586-021-03325-5

陸上生態系による炭素取り込み量の経年変化は、大気中の二酸化炭素濃度を決めるのに極めて重要な役割を果たしている。しかし、こうした変動を温度と水の利用可能性によって全球規模でどの程度説明できるかは、まだよく分かっていない。今回我々は、要因別気候モデルシミュレーションを用い、全球の陸域炭素取り込み量の経年変動の90%が、土壌水分の変動によって、主に光合成への影響を通して生じていることを示す。我々は、この生態系の応答の大半が、土壌水分と大気の間のフィードバックによって気温と湿度の異常が増幅され、土壌水分ストレスの直接的な影響が強まることで、間接的に生じることを見いだした。気候結合モデルが、陸面モデルのシミュレーションや観測結果の分析では容易には明らかにならない土壌水分の支配的な役割を示す理由は、このフィードバック機構の強さで説明される。これらの知見は、気候変動に対する炭素循環の応答を全球的に見積もる際や、干ばつに対する生態系の応答を地域規模で調べる際に、土壌と大気の乾燥度の間のフィードバックを考慮する必要があることを浮き彫りにしている。今回の結果は、モデル化された陸域の炭素取り込み量の全球的な変動の大半が、温度の影響と、土壌水分によって制御される蒸気圧の不足の影響によって生じていることを示している。

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