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遺伝学:ヒト成人の心臓細胞

Nature 588, 7838 doi: 10.1038/s41586-020-2797-4

心血管疾患は、世界的に主要な死因である。疾患の機構と治療戦略に対する洞察を進めるには、健康な心臓に関連する分子過程について、より深く理解する必要がある。心臓細胞の完全なレパートリーとそれらの遺伝子発現プロファイルについて知ることは、この取り組みの基本的な最初の段階である。今回我々は、大規模な単一細胞および単一核トランスクリプトームの最先端解析法を用い、成人の心臓における6つの解剖学的領域が持つ特徴を示す。その結果、心筋細胞、周皮細胞、繊維芽細胞の多様性が浮き彫りになり、心房と心室では異なる細胞サブセットがあり、これらは多様な発生起源と特殊な性質を持つことが明らかになった。また、心臓血管系の複雑性と、動静脈系に沿ったその変化が示された。免疫系では、炎症性と保護的な転写特性を持つ心臓常在性マクロファージが同定された。さらに、細胞間相互作用の解析から、マクロファージ、繊維芽細胞、心筋細胞について、心房と心室で異なるネットワークが浮き彫りになり、これらは骨格筋のネットワークとは異なることが分かった。我々のヒト心臓細胞アトラスは、ヒト心臓についての理解を向上させ、将来の研究に有益なリファレンス情報を提供する。

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