Perspective

環境社会科学:漁業部門での組織犯罪は持続可能な海洋経済を脅かす

Nature 588, 7836 doi: 10.1038/s41586-020-2913-5

漁業部門における犯罪活動の脅威は、長年にわたり国際社会に不安を与えてきた。近年は、漁業における組織犯罪の存在が目立っている。2008年、国連総会は全ての加盟国に対し、違法漁業と海上での国際組織犯罪との関係に関する理解を深めるために貢献するよう要請した。影の海洋経済(blue shadow economy)の力学と破壊性、そしてこの経済における組織犯罪の役割に関する、政策立案者、研究者、市民社会の構成員の知識は増えてきている。現在、漁業における組織犯罪のさまざまな形態に関する実例に基づく科学的な事例証拠、それが世界の経済、社会、環境に及ぼす広範な悪影響、そしてその安全保障上の潜在的な影響は、一般に公開されている。本論文では、漁業部門での組織犯罪に関する知識の現状を提示する。我々は、詐欺行為、違法薬物の取引、強制労働など、この部門の組織犯罪の多くの側面が、いかにして持続可能な海洋経済の発展に向けた進歩を妨げているかを示す。また、世界各地の有望な具体例を参考に、この問題に取り組むための行動の実際的な機会に光を当てる。我々は、この課題について共通の理解を持つことの必要性、そして、世界レベルでは技能に基づく情報主導型の協調的法執行措置を実施し、地域レベルでは組織犯罪ネットワークのサプライチェーン内にある組織犯罪を標的とする地域社会に基づく取り組みを、法的枠組みと透明性の向上によって促進しながら実施することの必要性を強調する。

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