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ゲノミクス:英国バイオバンク参加者4万9960人のエキソーム塩基配列解読と特性解析

Nature 586, 7831 doi: 10.1038/s41586-020-2853-0

英国バイオバンクは50万2543人を対象とした前向き研究であり、大規模な表現型データと遺伝子型データを合理化されたアクセスとを結び付けて世界中の研究者に提供する。今回我々は、研究に参加した最初の4万9960人のエキソーム塩基配列データの公開について説明し、およそ400万のコーディングバリアント(そのうち約98.6%は1%未満の頻度)を明らかにする。このデータには19万8269個の機能喪失(LOF)と予測される常染色体バリアントが含まれ、この数は推定された配列と比較して14倍以上だった。ほぼ全ての(97%を超える)遺伝子には少なくとも1つのLOFバリアントが見つかり、大半の(69%を超える)遺伝子には10人以上のLOFバリアント保因者がいた。我々は、1730の表現型全体にわたって関連解析を行うことで、この集団でのLOFバリアントの特性解析の威力を示す。既知の関連が再現されたことに加え、疾患形質に大きな影響を持つ新規のLOFバリアント(静脈瘤に対するPIEZO1、角膜抵抗性に対するCOL6A1、骨密度に対するMEPE、血液細胞の形質に対するIQGAP2GMPRなど)が見いだされた。我々はまた、臨床的に重要な病原性バリアントの保因率を調べることでエキソーム塩基配列解読の価値を実証し、この集団の2%が、医学的に治療対象となるバリアントを有することを示す。さらに我々は、BRCA1BRCA2の病原性バリアント保因者におけるがんの浸透度の特性についても調べた。最初の参加者4万9960人から得られたエキソーム塩基配列は、大規模な集団ベース研究においてゲノム塩基配列解読が有望であることをはっきりと示すものであり、これは現在、科学コミュニティーに公開されている。

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