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生態学:生態系修復のための全球の優先地域

Nature 586, 7831 doi: 10.1038/s41586-020-2784-9

生態系の大規模な修復は、生物多様性の保全および地球の気候の安定化に重要であるとの見方が強まっている。国レベルや世界レベルで意欲的な目標が設定されているが、利益やコストの空間的差異につながる全球の優先地域はいまだ特定されていない。今回我々は、全ての陸上バイオームにわたって修復優先地域を特定し、それらの地域の修復がもたらす利益とコストを推定するための多基準最適化法を開発・適用した。その結果、優先地域において転換された土地の15%を修復すると、予想される絶滅の60%が回避され、299ギガトンの二酸化炭素(CO2)を隔離できることが分かった。このCO2量は、産業革命以降の大気中CO2の総増加量の30%に相当する。複合的な利益を得るには、複数のバイオームを組み入れることが重要である。コスト効率は、我々の多基準法を用いて空間的配分を最適化すれば最大で13倍高めることができ、これは空間的計画の重要性を明らかにしている。今回の結果は、全球的な課題への取り組みに対して生態系修復が持つ極めて大きな潜在的貢献度を裏付けるとともに、これらの目標を、相乗効果をもって追求することの必要性を強調している。

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