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免疫学:開発中のSARS-CoV-2ワクチン

Nature 586, 7830 doi: 10.1038/s41586-020-2798-3

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、2019年終盤に中国で初めて報告された、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)の原因病原体である。このウイルスが公衆衛生、経済、社会に及ぼす影響を緩和するため、ワクチンが緊急に必要とされている。本論文では、SARS-CoV-2に対するワクチンの開発について概説する。ワクチン開発は2020年1月初旬にこのウイルスの遺伝子塩基配列が明らかになった時点で開始され、以来、前例のないスピードで進められている。第I相試験は2020年3月に始まり、現在は180種類を超えるワクチンがさまざまな開発段階にある。複数のワクチン候補に関しては、すでに第I相および第II相試験のデータが公開されており、第III相試験に進んだものも多い。これまでに報告されているデータは、有効で安全なワクチンが、今後数年ではなく数か月以内に利用可能になる可能性を示唆している。

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