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光物理学:光学フーリエ面

Nature 582, 7813 doi: 10.1038/s41586-020-2390-x

回折格子やホログラムは、パターン化した表面を使って、回折により光信号を調整する。これらの歴史は長いものの、注目すべき機能を備えたさまざまな種類が開発され続けており、さらなる進歩としてフーリエ光学を利用し、所望の回折出力を生成する表面パターンをフーリエ変換を通して指定できる可能性がある。光波面を成形するには、理想的な表面プロファイルに、それぞれの振幅、空間周波数、位相が明確に定義された正弦波の正確な和が含まれている必要がある。しかし、現行の製造技術では通常、多くても数通りの深さレベルのプロファイルしか生成されないため、複雑な「波状の」表面は得られず、直接的な数学的設計や非常に高度な回折光学の実装が制限されている。今回我々は、任意の数の指定された正弦曲線を含む光学面を実証することによって、この設計と製造の不一致を解消する簡単だが強力な方法を提示する。我々は、熱走査プローブリソグラフィーとテンプレート法を組み合わせて、連続的に深さが制御されたサブ波長空間分解能の、周期的表面パターンと非周期的表面パターンを作り出した。多成分の線形回折格子によって、フーリエスペクトル工学を通した電磁信号の精密な操作が可能になった。その結果、同じ入射角の赤、緑、青の光を同時に結合する極めて薄い回折格子を作製することにより、フォトニクスにおけるこれまでの限界が克服された。さらに広範には、複雑な二次元モアレパターン、準結晶、ホログラムを解析的に設計し、正確に複製することで、これまで実現できなかったさまざまな回折面が実証された。この方法は、光学デバイス(バイオセンサー、レーザー、メタ表面、変調器)や、フォトニクスの新たな分野(トポロジカル構造、変換光学、バレートロニクス)に応用できる可能性がある。

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