Article

天体物理学:ケンタウルス座Aのジェットに沿った非常に高いエネルギーへの加速の解像

Nature 582, 7812 doi: 10.1038/s41586-020-2354-1

近傍の電波銀河であるケンタウルス座Aは、電波の波長で明るい活動銀河の分類に属している。活動銀河の大半はジェットと呼ばれる収束した相対論的なアウトフローを伴い、最も強力な放射パワーを持つ活動銀河の場合、こうしたジェットは数十万パーセクにわたって広がっている。中心部の超大質量ブラックホールへの物質の降着は、こうしたジェットにエネルギーを供給し、放射を駆動すると考えられている。相対論的な電子によるシンクロトロン放射は電波放射を生み出し、ケンタウルス座AからのX線放射も電子シンクロトロン過程を起源とすることが示唆されている。このX線放射の考え得るもう1つの説明は、宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の軟光子による逆コンプトン散乱である。シンクロトロン放射は、超相対論的な電子(約50 TeV)を必要とし、冷却時間が短いため、何らかの連続的な再加速機構が必要となる。一方で逆コンプトン散乱は、非常に高いエネルギーの電子を必要としないが、ジェットは大きな(1メガパーセクを超える)スケールで高度に相対論的な状態を保たなければならない。いくつかの最近の証拠は逆コンプトン-CMBモデルは支持しないが、他に、そうしたモデルと矛盾しない研究もある。超相対論的電子の存在を直接調べる広がったγ線放射の検出は、原理的にはこうした選択肢を識別可能である。ケンタウルス座Aには、ギガ電子ボルトのエネルギーにおいて、まだ説明されていない異常なスペクトル硬化も存在する。本論文では、ケンタウルス座Aの大規模なジェットを解像するテラ電子ボルトのエネルギーでの観測結果について報告する。我々は、今回のデータがジェット内の超相対論的電子の加速を示す証拠であると解釈しており、X線がシンクロトロン放射によるとする説明を支持する。このジェットが、エネルギー、長さ、速度に関して特別でないことから、超相対論的電子は電波を強く発する活動銀河の大規模なジェットにありふれたものである可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度