Article

医学研究:アカゲザルにおける静脈内 BCG予防接種後の結核予防

Nature 577, 7788 doi: 10.1038/s41586-019-1817-8

結核菌(Mycobacterium tuberculosis ; Mtb)は、世界中の感染による死亡の主な原因である。利用可能な唯一のワクチンであるBCG(Bacillus Calmette–Guérin)は、皮内投与されており、死亡や疾患伝播の主要原因である肺結核に対する有効性にはばらつきがある。今回我々は、非ヒト霊長類のアカゲザル(Macaca mulatta)ではBCGの静脈内投与によって、Mtbチャレンジの予防効果が大きくなることを示す。皮内送達あるいはエアロゾル送達と比較して、静脈内予防接種では、血液、脾臓、気管支肺胞洗浄液、肺リンパ節での抗原応答性のCD4 T細胞およびCD8 T細胞で誘導される応答が著しく大きかった。さらに、静脈内接種により、肺実質組織全域で抗原応答性T細胞が高頻度に誘導された。BCGワクチン接種の6か月後、アカゲザルに病原性Mtbチャレンジを行った。重要なことに、BCGの静脈内ワクチン接種を受けたアカゲザル10頭のうち9頭では高度な予防効果が見られ、そのうち6頭のアカゲザルは、PET-CTによる画像化、マイコバクテリアの増殖、病理学的所見、肉芽腫形成による判定で、検出可能なレベルの感染を示さなかった。Mtb感染に感受性の高いアカゲザルにおいて、静脈内BCGがMtb感染を予防あるいは大きく制限するという知見は、ワクチン送達や臨床開発に重要な意味を持ち、免疫相関要素やワクチンによる結核予防機構を明らかにするためのモデルを提供する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度